6月
30日
夏越大祓 なごしのおおはらえ 人形感謝清祓式 にんぎょうかんしゃきよはらえしき
6月30日の大祓は『夏越の大祓』ともよばれ、「茅の輪くぐり」とともに、「人形代(ひとかたしろ)」によるお祓いが行われます。その祝詞の最後にも、神職が「川に災厄を持って行き流す」と記されるなど、本来は川辺で神事が執り行われていました。
しかしながら、今日では、全国の神社の多くで、河川に人形代を流すことは出来ず、お祓いの後は焼納することで代えられている現状であり、当社でも諸社同様に行われてきました。
そのため、当神社では様々な祭儀考証のもと、より本来の祭祀の姿に近付けるべく、大伴家持卿生誕千三百年を迎えた平成29年より新たな試みとして、『万葉集』を編纂した家持卿が詠み、当社に関しても所縁が深い「射水川」(現在の小矢部川河口)の水を、清らかな川の流れに見立てた三本の斎串御幣(いぐしごへい)が立てられた檜樽に注ぎ湛え、清浄な〝斎水(いみず)〟として舗設。茅の輪くぐりの後、自身の災厄・罪穢れを移して手にする「人形代」を参列者それぞれが水に浮かべてお祓いします。
本来、「大祓」は毎年6月と12月末に行われ、半年間の罪穢れを神々のお力によって祓い清め、人間本来の清浄な心身に復する意味があり、平安時代には既に確立されていた国家行事です。
現在も宮中や伊勢の神宮、全国の神社でも行われ、清浄を貴ぶ日本人にとって大切な神事として伝わります。
人形感謝清祓式では、各家庭で大切にされ、役目を果たした富山ならではの風習である天神様や雛人形、五月人形、ぬいぐるみ等をお納めいただき、祓い清めます。