7月
土用の
丑の日
鰻奉献無病息災祈願祭
越中国守であった大伴家持卿生誕千三百年を記念し、平成29年より新たに行われている祭事で、「土用の丑の日」に生きたままの鰻二尾と、蒲焼きに調理された鰻が高坏に盛られ、家持卿が詠まれた歌を記した短冊を添えて御神前に奉り、夏の無病息災を祈ります。なお、祭典後に生きた鰻は射水川と詠まれた小矢部川へと放流されます。
一般的に「土用の丑の日」に鰻を食べることは江戸時代に平賀源内が広めたとされています。
しかし、実際には鰻の滋養強壮が夏バテ防止に良いことは古くから知られており、平賀源内は『万葉集』巻16に所収される大伴家持卿が詠んだ古歌があったことを根底にしたと言われています。
石麿に われ物申す 夏痩に 良しといふ物そ 鰻取り食せ
[訳]石麻呂さんに申し上げます。夏痩せに良いそうですから、鰻を捕ってお召し上がり下さい。
(大伴家持『万葉集』巻16‐3853番歌)
つまり、現代において、日本の年中行事の一つとして、また夏の伝統食文化として広く定着した鰻が、実は越中国ゆかりの大伴家持卿が詠まれた歌がもとであったのです。